さわかみ流 図解 長期投資学―最後に勝つ、財産づくりの仕組み
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投資のコツは書いていない |
独立系の投資信託で、サラリーマン層から絶大な支持を集めるさわかみファンドの創設者の著。長期投資を旨とする著者の投資の真髄をつかめるかと期待して購入したが、さにあらず、要は「自分でしっかり考えて投資をしなさい」ということであった。この本だけでは、著者のような優れた投資家にはなれない。
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長期投資をする上で情報を得るための大きなヒント |
設定来運用実績が80%を超えると聞いていました。また、得た収益を社会的に意義のあることに使おうとしている、とも聞いていました。その「さわかみファンド」代表の澤上さんとは、どういう方なのか興味をもっていたところに、本書を見つけました。
『竹内氏、鈴木氏とともに行ってきた「フローチャート教室」の様子をできる限り再現した』と書かれていることからわかるとおり、文章の中心は、澤上さんへの問い掛けと、その答えという形です。話し言葉をまとめた文章ですから、私には難しい内容だったのですが、読みやすい印象でした。
第1章では、相場と投資の関係や景気と金利と投資の関係などの、一般的な知識について、非常にわかりやすく説明してくださっています。ここだけでも無学の私には勉強になりました。図がわかりやすく、理解を深めるのに役立ちました。
第2章では、長期投資に必要な将来の先読みをするために、発想を広げ可能性を論理的に組み立てることができるようになる「フローチャート思考」を身につけようと、教えてくださいます。
第3章からの実際の「フローチャート作り」では、テーマが大きくて戸惑う部分もあったのですが、作り方は、イメージマップを広げていく要領かと理解しました。特に、言葉間の結び付きを、時間軸を意識して、展開が流れるように描くことがポイントでしょうか。
儲かる銘柄などについては言及していませんけれども、長期投資をする上で情報を得るための大きなヒントが記されていると思います。
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投資の参考にと考えてたら肩透かし |
具体的な企業名は一切出てこない。
会社の財務諸表をどういった視点から見て、数字から売買のタイミングのノウハウを知りたい。そんな期待でこの本を買うと、肩透かしを食らう。
筆者は、澤上ファンドを主催している。運用のノウハウなど手の内は見せられないのもしかたないかも知れない。
良く言えば、もっと大きな視点から見ているが、あまりに話題が飛び、飛躍し
全般的に漠然としている。
40歳未満の世代が、新しい生活モデルを作るという考えは、目から鱗が落ちるが、対話のあるコンビニなど要らないと、茶々を入れつつ、妙に親しみを込めた口語調の文章を気持ち悪がりながら、読み飛ばすならいい。
各論の投資運用を希望する人は、違う本が必要。
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哲学あるファンドマネージャー |
著者は独立系投資信託会社の代表で「長期投資」を勧めます。
ありていにいえば、利殖の本なのですが、哲学がすばらしい。
国家や組織から独立した個人とはどのような存在なのか、人類が抱えるエネルギー、食糧、環境問題の現状と未来、我が国は世界においてアジアにおいてどのような存在であるべきか、などを明快かつ説得的に語ります。
それが「投資して実績を上げる」という実践に結びついていることにより、地に足のついた、しかしすごみのある議論になっています。
著書の多い方ですが、私はこれを一押しします。
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SFを読むように楽しめる |
長期投資。それには過去から将来へと向かう大きな流れを読むことが必要です。ということで、本書は、まず長期投資の立場から経済の周期的変動を解説しています。続いていくつかのキーワードを例として、ひとりブレーンストーミングのような「フローチャート」とその説明があります。
一般に投資というと相場の短期の変動による売買差益を見込んだものがほとんどですが、長期投資というのはもっと安全で楽ちんで楽しいものだというのが著者の主張のようです。長期の投資に耐えられる会社なら(途中で倒産してしまうような会社にさえ投資しなければ)、ほぼその会社の成長は確実であり、収益も当然得られる、ということのようです。
長期投資の対象を見通そうということになると、未来を見通そうということなので、未来学・未来工学というような分野ともかぶってくるでしょうし、SF作家や科学解説家の書くものにも通じるところがあります。
たとえば、この本のなかで、砂漠の緑化には紙おむつとおなじ高吸収性の材質も使われているというような知識が紹介されていますが、この知識は、この本以外にはあさりよしとおの学習まんが「まんがサイエンス」でも見かけました。
そのほかにも、電力がかさむ食料工場も糞尿を利用するバイオマス発電があわされば全体としてビッグビジネスになるのでは、というようなくだりには、小松左京や金子隆一の著書を読むときにも似たセンス・オブ・ワンダーを感じました。
さわかみ氏がSFファンかどうかはわかりませんが、SFファンならこの本を楽しめるのではないかと思います。
この本で描かれている「フローチャート」は非常におおざっぱであいまいなものなので、投資銘柄や資金配分等を具体化するものではありません。しかしこれを数学モデル化できればアシモフのファウンデーションシリーズに出てくる心理歴史学の経済版といえるものになるかも・・・というと飛躍しすぎでしょうか。
この本の文体は独特です。こども向けの教養書かと思うようなくだけた口調で書かれていて、ちょっとくすぐったい感じがしました。



